動物愛護週間
10月は動物愛護週間です。3年前東京銀座で、動物達の生きる権利を守る為のデモ「Pease Walk For Animals」が行われました。動物達の苦しみをわが身、家族、仲間の思いとして受け止め、その救済の為の活動を続けている方々のお陰で、今年3度目のピースウオークを迎えます。
メディアでは、たくさんのかわいがられている動物達の姿が映し出されています。こういう時代に、生きる権利を奪われている動物達の姿を思い描くことは難しいのではないかと思います。しかし現実は、想像を絶する数の動物達が想像を絶する方法で、人間の行いによって命を奪われているのです。
マスコミは、異常な人間が起こす動物虐待を報じます。そして私たちは「なんてひどい事を!」と悲しみと憤りを感じられずにはいられません。しかしそれは、ほんの一部のことです。恐ろしいことには、たくさんの動物達の命の剥奪は、私たちの暮しや経済の中で行われているということです。
以下に、事実を書き出していきます。
@ ペットブームの陰では、過度・危険な繁殖が行われる為、病弱動物・不要動物が激増。
A 行政による不要動物の処分数は、年間約50万頭(一日1500頭!)内訳は、不妊・去勢手術の認識不足による子犬子猫の引き取りが半数。残りは都合による飼育放棄。
B 大学、研究機関による慣習化された動物実験。
C 新薬開発、化粧品、洗剤等の毒性試験の為の動物実験。
D アクセサリー、バック、靴、洋服等ファッションの為の毛皮の需要の増加。
E 過度の肉食(卵、乳製品含む)による畜産産業の増加。
F テーマパーク、動物園、水族館での不適切な飼育。
いかがでしょうか?直接動物達を傷つける事はしなくても、私たちの暮しがいかに多くの動物達の命を犠牲にして成り立ってしまっているかを思うと、救いのない諦めの境地に至ってしまうかも知れません。しかし、これらの現実をきちんと受け止め、心を痛めることで、新しい出発が可能となります。
次に前記@〜Fに対する新しい動き、私たちに出来る解決法を書き出してみたいと思います。
@ イギリスを始め多くの主要先進国ではペットショップでの生体販売はありません。日本にも動物を心から愛し、責任を負っているブリーダーさんがいらっしゃいます。店頭での生体販売をなくしましょう。
A イギリスやアメリカでは行政とボランティアが協力した動物たちのシェルターが活躍しています。不要とされてしまった動物達はそこで新しい里親を待ちます。あちらではあえて気の毒な動物達を飼ってくれる人々が多いのです。日本もそういう成熟した社会になるといいですね。
B 獣医にとってこの問題はとても厚く高い壁と思っていました。私も学生当時、動物実験は獣医になるために必要なものという考えを持っていました。とても耐えられるものとは思っていませんでしたが、与えられた実験を行う以外方法はないと思っていました。今でも、最後まで人間を信じていた犬の目を思い出します。そして動物達を裏切ったことを今でも取り消したい気持ちでいっぱいです。
私は動物実験をした時に自分の感情に大きな重い蓋をすることを覚えました。その後十数年その蓋ははずされませんでした。しかし、数年前、一人の獣医学生さんの行動でその重い蓋が取り払われたのです。彼女は大学での動物実験を拒否しました。しかしそれに代わる新しい代替実験法を捜し求め(アメリカ、イギリスなどではすでに行われていました)教授との話し合いを重ね、理解を得てみごとに卒業し、獣医師国家資格を取得したのでした。現在彼女は都内に動物病院を開業し。野生動物や外来輸入種の問題に取り組んでいます。又彼女の行動は、その後、命を大切にするたくさんの学生さんたちへの希望となり、今では多くの大学で動物実験に代わる人道的な方法による代替法が取り入れられ始めています。
これから、医学部、歯学部、薬学部、獣医学部など、慣習的動物実験のある大学へ進学される方はどうぞ人道的代替法を考えてください。
C 悲惨な動物実験を行わずに、毒性試験を行う方法があります。動物実験をしない化粧品メーカーがEUをはじめ日本にもいくつか現れています。動物実験をしていないメーカーの商品を購入しましょう。とても安全です。
D 日本は毛皮の最多輸入国です。死んだ動物の毛皮を剥ぐのではありません。毛皮を剥ぐ為に動物を殺すのです。通常は口と肛門に電極棒を入れ感電させます。たとえ一部にでも毛皮のついているものは選ぶべきではありません。毛皮はオシャレなんかじゃありません。見て悲しいものです。
E 人類有史以来の肉食過多です。肉食動物でさえ人間ほど肉をたべません(狩の間に数日の空腹期間があります)。癌や生活習慣病になりたくなければ肉食は必要最小限にした方がいいです。EUでは畜産動物の福祉を考える時代になりました。
F 野生動物の自由を奪い、限られたスペースで飼育をすると、檻の中を行ったり来たり、毛をむしったり、頭を振ったり、という異常行動を起こします。動物達の生態は自然の中での観察が一番です。アメリカでしたか、映像だけの水族館があると聞きました。不自然な動物園より自然の中に子供達を連れて行きましょう。鳥や虫が待っています。
20世紀、物質文明の発達により、私たち人間は自然や地球を支配できる力を持っていると錯覚し、人間以外の命や自然をおろそかにして来てしまいました。けれど、その考えに限界を感じている人は多いのではないでしょうか?
私達はさまざまな命によって、身も心も生かされ、そして次の命を繋いでいく輪の中の一つに過ぎません。そして、その輪の中のどの一つが欠けても完全な輪にはならないことを学びはじめている様な気がします。命を奪い合うことはナンセンスです。私たちの思考の中に、物質的でもない、利己的でもない感情が大きく育っているとしたら、争いや奪い合いのない新しい文明が築かれていくのではないでしょうか?優しさの種は、人間が生まれたときに、誰の中にも蒔かれているのだと思います。