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ヘルプアニマルズ 動物実験の削減に向けて

2005年 動物愛護法改正後 スタートを切った第三者評価制度

2005年に動物愛護法か改正され、動物実験に関する倫理の理念=3Rs が盛り込まれました。この法律改正は、従来の動物実験の実施体制を大きく変えました。文部科学省、厚生労働省、農林水産省は、動物実験に関する基本指針を制定し、動物実験委員会の設置や外部検証などが盛り込まれました。しかしこの時点では厚生労働省の指針には外部検証ははいっていませんでした。

動物愛護法はその後2012年にも改正され、<実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準>は2013年に改正されました。外部検証が盛り込まれていなかった厚生労働省の指針は2015年に改正され、外部検証に努めることが明文化されました。現在、文科省、厚労省、農水省のそれぞれの基本指針全てにおいて、自己点検評価、情報の公開、外部検証が盛り込まれています。

3Rの推進については、苦痛の軽減については義務になっていますが、動物の置き換えとと使用数の削減については配慮事項どまりとなっています。これがそのまま現状に反映されています

研究機関のホームページに掲載されている内容を見る限り、3R(動物実験を減らす3つの取り組み、Refinement, Replacement, Reduction)のうち、Refinementには配慮しているようですが、動物実験そのものを他の何かに置き換えることや、数を減らす取り組みは、まだまだ改善される余地があるように思います。

現在、文部科学省、農林水産省、厚生労働省管轄の研究機関、大学などが行う動物実験を検証するための制度があります。

 1.大学等の研究機関を評価する【動物実験に関する相互認証プログラム】2009年~。

 2.製薬会社を評価する【ヒューマンサイエンス振興財団動物実験実施施設認証センター】2008年~。

 3.実験動物ブリーダーを評価する【実験動物生産施設等福祉調査】2009年~。

 

概要

●動物実験に関する相互認証プログラム (文部科学省)

 

文部科学省所管の大学や研究機関は、国立大学動物実験施設協議会(国動協)、公私立大学動物実験施設協議会(公私動協議))の検証プログラムによる相互検証を行っています。

簡素かつ、少ない設問にチェックを入れるだけの内容になっています。

多くの課題が残されており、大幅は改善が求められます。

 

●動物実験実施施設認証センター (厚生労働省)

厚生労働省所管の製薬会社や、動物実験受託企業に対し、財団法人ヒューマンサイエンス振興財団の動物実験実施施設認証センターにより認証を行っています。

2008年から外部評価事業を行っています。

申請者による自主評価を記載した書面審査と、実験施設を訪問する実地評価が行われ、認証の有効期間は3年間です。

 

●実験動物生産施設等福祉調査 (農林水産省)

ブリーダーに対する自主規制です。

農林水産省所管の実験動物生産会社に対し、(社)日本実験動物教会(日動教)により、実験動物生産施設等福祉調査が行われています。

2009年から行われた第2期実験動物生産施設等福祉調査では、62の設問からなる調査票への記入と、3名の調査員による訪問調査が行われます。訪問調査時間は4時間。

評価の基準は4段階からなり、すべて動物福祉が基準になっています。

 

改善点として考えられる点

2005年動物愛護法が改正され、動物実験に関する基本指針が作成され、外部検証が始まりました。しかし、動物実験が適正に行われているか、適切に内部で審査されているか、外部検証は適切に行われたのかを現在公開されている情報だけで把握することは困難です。

動物実験に関する基本指針では、動物実験委員会の設置が盛り込まれましたが、指針は順守義務はないため、委員会の設置がない研究機関も存在します。

2006年日本学術会議が出した<動物実験の適正な実施に向けたガイドライン>や、基本指針では情報公開や検証について記載があり、科学者としての責務と考えられています。ガイドラインや指針に記載のあるものが作成、検討、審査されるよう求めてください。

1.適切な実験計画書が作成され

2.3Rが具体的にどのように検討されたのか

3.誰により、どのように審査されたのか

4.動物実験委員会を設置したか、委員は誰誰なのか

5.苦痛のカテゴリーは適切に記載されているのか

個々の項目について詳細で具体的な根拠が示され、それが適切に情報公開されていなければなりませんが、現在 そうなっているとはいいがたい状態です。

 

 

意見の送り先

文部科学省研究振興局 ライフサイエンス課 電話 03-5253-4111(代表)

農林水産省 農林水産技術会議事務局 技術政策課  電話 03-3502-7406

厚生労働省 大臣官房 厚生科学課 電話 03-3595-2171

経済産業省 製造産業局 生物化学産業課 電話 03-3501-1692 (3841~3846)

環境省 自然環境局 総務課 動物愛護管理室 電話  03-3581-3351(代表)

ヒューマンサイエンス振興財団 電話 03-5823-0361 メール hscaa@tyo.jhsf.or.jp

日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 基礎研究部会、動物実験適正化対応チーム 電話 03-3241-0326 メールはこちら 

(社)日本実験動物協会 電話 03-5215-2231 メールはこちら。 

国立大学法人 動物実験施設協議会  事務局は宮崎大学研究国際部 研修推進課 メール kokudoukyou@med.miyazaki-u.ac.jp

公私立大学実験動物施設協議会 電話 03-5363-3776 メール jalap-office@umin.ac.jp

   

 

AAALAC (国際的に認証されている動物実験施設認証機関)

国際実験動物ケア評価認証協会と訳され、国際的に認められている動物実験施設の認証機関です。

米国のILARの基準をもとに、その審査項目は多岐にわたっています。
ILARとは実験動物資源局 (Institute of Laboratory Animal Resources)のことで、「実験動物のケアと使用に関する指針」の改訂版 第8版が2010年12月に発行され、翻訳が(社)日本実験動物学会の監訳で出版されています。

このガイドラインは、AAALACが、動物実験の評価をする際に、使われています。

AAALACの認証は、日本において初めて取得したのは、実験用サルの大量生産、実験を行う大企業イナ・リサーチが2005年に、それにつづいて、2007年北海道大学獣医学部が国内の大学で初めて認証を取得し、2015年現在では5機関が認証をうけています。

AAALACを受けていたら、動物福祉に配慮されていると信じたいところですが、米国ではこの認証を受けている施設で動物虐待が相次いで発覚し、動物福祉法違反を繰り返い指摘されているとのニュースもあります。

AAALACの認証は一つの目安とはなりますが、詳細な根拠に基づく書類、書類以外のソフトやハード面をどう市民が理解し、把握できる形で審査・検証、情報公開していくのかが、問われなければいけません。