- 欧米で1950年代に始まった動物実験を減らすための3Rの実際

科学がこれほど発達した現代において、人間の体のことを、人体を使えないという理由で動物を使うのではなく、人間の体をシミュレートするための研究にこそ、真剣に取り組み、発展させていくべきではないのでしょうか。

2005年、欧米に随分と遅れて、日本にもようやく、日本動物実験代替法検証センター (JACVAM)が設立されました。

現在、日本動物実験代替法検証センター にて、 進行中の試験一覧が今後一層発展していくよう、政府から資金が投入されるよう、また組織細胞レベルの代替法以外にも、人体そのもののシミュレーションなど、もっと大きく発展していくよう、政府へ声を届けていきましょう。。

3R=動物の犠牲を減らすための 3つの"R" と、その例

 1.動物を使わない方法への転換 (Replacement)

 2.使う動物の数を減らす (Reduction)

 3.実験方法改良による動物の苦痛の軽減 (Refinement)

 

・Replacement - 動物を使わない方法への転換

コンピューター利用

・人間の体のことは人間のモデルで。

バーチャル・リアリティ 動物の体ではなく、人体をシミュレートするものとして、人体解剖模型VAMなどが開発されている。VAMは5億円するので、まだ一部の看護大学でしか使用されていない。動物の体ではなく、人体そのものをシミュレートできるものの更なる開発は動物実験をなくしていく大きな推進力となる。

・コンピューターシミュレーション 解剖のために動物を殺さず、コンピューターを使ってシミュレートするものが開発されている。

・QSAR(構造活性相関ともいい、既知の化学物質の構造や毒性データから、未知の科学物質と生物学的反応をコンピューターモデルを用いて予測する手法)。アメリカでは、環境庁において化学物質の毒性評価の一つとして利用している。

動物でない化学物質などを使う方法(非生物系)

・うさぎの目を使って毒物を試験する方法に替わるものとして開発されたEYTEXなどが、例としてよくあげられる。目の組成に似たたんぱく質の複合体から作られたもので、海外では広く使用されている。

生きた動物ではなく、動物の臓器などを試験管で使う方法

・別名 イン・ヴィトロ (In Vitro)とも呼ばれる。動物の体の一部、つまりは細胞、臓器などを培養し試験管の中で実験する方法のこと。 培養する生体の構成要素のレベルによって、細胞培養・組織培養・器官培養がある。動物実験の前の段階のスクリーニング試験として使われている。


・Reduction - 使う動物の数を減らす 

コンピューター利用

・ある動物実験をしている研究者の記事によると、実験前に最低必要数を統計学的に検討し、毒性試験データを情報公開することで重複する実験を排除、失敗した実験も公開し、情報のシェアをしていく、ということが行われれば、新技術の開発を待たなくても年間何百万匹という削減が可能だそうです。

・しかし現実は、企業秘密を名目に、公開されない場合が多く、また失敗した実験を含めたデータベースもまだ存在しません。このあたりを変えていく必要がありそうです。

現在の方法を改良する方法

・LD50(半数致死量試験)の改良

以前はOECD401試験法が急性経口毒性試験として使われていました。この方法は、動物を60匹以上使うため、動物愛護の観点から廃止されることが決まり、ヨーロッパでは2002年12月以降OECD401を使った実験は認められないことになっています。

参考URL: ※急性毒性試験について 

 

・Refinement - 実験方法改良による動物の苦痛の軽減

固定用量法

動物の死をもって毒性を見る方法から、動物福祉の観点から、少数の動物にある容量で投与し、毒性反応の有無により次の段階へ進んでいく方法。

欧米での動物保護運動などにより、方法が改善され、動物の苦痛の軽減や数の削減に大きく貢献している。

参考URL: ※固定用量法について

哺乳類以外の動物、鶏卵などを使う方法

生きたうさぎの目に毒物を入れて、目が腐る様子を観察するのではなく、有精鶏卵の漿尿膜(CAM)の損傷の程度で、毒性を評価する方法などがあります。

参考URL: ※眼刺激性 HET-CAM試験

動物の福祉から動物の権利へと変化

欧米では、1940年前後から動物の権利運動が広まる

欧米では1876年、動物虐待法がイギリスで施行された。動物保護は、その後、動物の福祉、そして1970年代に入り、”人のためには動物の犠牲はしょうがない”、という考え方から、”人も動物も犠牲にしないようにしていくべき”という”動物の権利という思想ができ、発展してきました。

1975年、「動物の権利」(ピーター・シンガー著)が出版され、広くこの概念が広まりました。

1980年代、医学関係者の中からも動物実験に反対する人たちが出て、反対運動が展開されました。

スイスでは国民投票において、1978および1985年には、国民の3割が動物実験の全面的禁止を支持、1992年には4割が痛みを伴う動物実験の全面禁止を支持しています。

欧米では、残酷な動物実験を減らすために、様々な法規制や、また医学・科学関係者により動物実験にとって代わる方法の研究が行われて、その方法の審査や採用が行われています。

日本は、1980年頃から。

日本では欧米に数十年遅れて、1986年に動物実験に反対する団体が設立され、日本でも動物の権利運動が始まりました。

日本の動物の権利に関する書籍としては、ピーターシンガー氏の「動物の権利」の和訳が戸田清氏により1986年に、AVA-NET野上ふさこ氏の「動物実験を考える」が1993年(2003年に改訂版が)が出版されました。

また、写真集として、2001年に「現代の蛮行 動物実験は科学の名をかりた偽瞞である 沈黙の叫び−これが動物実験だ」が発売されました。 

国内外の削減規制の流れ

海外、国内における削減規制の流れはこちらをご覧ください。

 

 

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