原文は
こちら から Browse list of protocol をクリック
ねぎの試験で環境危険を代表する化学薬品、汚染物質等の迅速なスクリーニング法が
できる。根の成長抑制と
染色体への有害影響が毒性の可能性を示唆する。
論理的説明
土や上水道で見つかる化学薬品や汚染物質とまず
接触する部分は、いかなる植物であっても
根端であることが多い。新玉ねぎの根端システムの
観察によると、この植物は環境汚染物質のような有害性に
対して特に感度が良い。総影響は新しく発育する根のシステムの成長抑制の測定に
よって数値化でき、根端の
個別細胞の染色体の検査で、変異原性影響で
あろうことを示唆する。
基本手順
12個の新玉ねぎの外側の皮をむく。底が茶色っぽい皿
を除き、試験液を満たした試験管の上に4日間置く。
液は毎日かえる。更に12個の玉ねぎも同様に
用意し、管理固体群を得るために純水で維持する。
それぞれのなかで最も成長している10個の玉ねぎを検査のため選ぶ。2日目に5個
の玉ねぎの
の根端ひとつづつを顕微鏡検査に用意する。
細胞400個に分裂指数(MI)のように、
5スライドそれぞれから100の有糸分裂を記録
する。
4日目、それぞれの茎の白い部分の根の長さを
測り、写真に撮る(4日目の測定後、水の
管理のためにそれぞれ試験の10個の玉ねぎ
のうちの5個の媒体をかえる。これにより、回復実験を施行。液体は5日目に補充。
最後、6日目に
根の長さを測定し、写真を撮る)。
毒性は肉眼パラメター(例;成長抑制)と顕微鏡パラメターの両方で測定する。肉眼パ
ラメターでは、
損傷の程度が試験化学薬品の毒性評価に使用される。
顕微鏡パラメターでは、突然異変生成の予想に
染色体の破損率と損傷率が使われるだろう。
重要評価
植物は保存と取り扱いが簡単で、数が豊富、廉価で
ある。通常、植物細胞の染色体のコンディションは
良好なので、管理状況での基準が高い。ねぎの試験は、
感度が高く生殖可能だけでなく、比較的迅速で
施行しやすい。
その他の多くの試験システムに匹敵する結果も
ある。肉眼効果と顕微鏡効果を観察すると
この二つの間には良い相関関係があるようだ。
肉眼効果(根の成長抑制)が最も感度の高い
パラメターのようだ。直接的、間接的ないかなる悪影響
も成長抑制を起こす結果になるであろうと
予想はされていた。
顕微鏡検査で、染色体損傷と細胞分裂傷害の評価が
可能になるので、毒性効果の重症度またはメカニズム、
或いは突然変異原生の可能性についての追加情報
が得られる。根細胞はある種の酵素、つまり
多くのpro-突然変異原(promutagens)から
突然変異原の活性化を助ける混合酸化酸素機能を保有する。
この活性化システムは、反応代謝産物を経て毒性効果を
だす化学品の検知を改善するであろう。このシステムは、
例えば、純粋な化学薬品、飲み水、ナチュラルウォーター、
工場廃液などの試験に幅広い用途があり、
毒性に関しての環境化学薬品の評価や
位置づけにも実用的である。
この試験は、非水溶性混合物の相対毒性の
測定にも条件が整えば使用できる。それは適切な
溶剤に溶解でき、水に薄めることができること。
そうすることで、最終濃度が一定の限界を超えない。
このような溶剤対照の場合も、試験体制に
組み入れなければならない。
このシステムは、根のシステムの成長にいかなる明白な
影響も与えずに、広いph範囲(3、5ー11、0)で
作用する。つまりやや酸性/アルカリ性の水のサンプルや
化学溶液などは、ph補正の必要なしで迅速に
試験できる。注意;ph自体は根の成長に影響を
与えないだろうが、次のような混合物の毒性
評価する際は考慮する。多くの場合、例えば、
イオン化の状態が変化することによって、phが
劇的に毒性潜在力を変える。
このシステムの不利な点は、試験された混合物の状態
に関係する問題である。溶液中の混合物へのphの影響と、毒性特徴においての結果的
に起る変化については
既に述べた。もうひとつの考慮すべき問題は、
水路や廃水などの中の不溶性物質の存在である。
粒状物質が、栄養素の吸収妨害のような間接的有害作用を起こすかもしれないので、
ねぎのシステムでのこのような複合混合物の生物学的作用を調べるのは非常に難し
い。
よってこれらのようなサンプルにも、化学的分析を勧める。
ねぎの試験は感度が高いので、多くの化合物に
毒作用陽性の結果がでる可能性があるが、他のシステム
(特に高度な生物である魚など)で試験する際は、
必ずしも有害と判断する必要はない。これは時に誤って陽性の結果をだすが、コンタ
ミの見落としはないことも保証する。;複合混合物の試験の際にこれは特に重要。
よってこの試験システムでの陽性結果は、生物学的危険の潜在力を意味する。逆に
誤ってでる陰性については、ねぎでもその他の似通った植物試験(Ennever et
al.,1998)
でも殆ど起らない。つまりどんな化合物試験でも
陰性の結果がでたら、確実に変異原性と判断してよい。
ひとつの試験システムの結果の外挿を他に使用
するときは(最終的にはヒトへ)、
一連の試験結果に基づき、試験化合物の代謝経路に
配慮すること。
試験の発展;ねぎの試験システムは、1938年
にコルヒチン効果(Levan,1938; ∃stergren,1944)の
検査に初めて使用され、それ以来(参照;Grant 1982)
大きな注目を浴びている。河水、工業廃液などの
中に存在する複合混合物の環境監視のために、
基本試験システムに、ある種の修正が導入された
(Fiskesj・1985a)。主要な修正は次の二つを含む。
それぞれの試験条件に、一連のねぎの白い茎の部分(i.e. 10)の使用(EC50測定の
容認)をする。白い茎の部分の
試験液への直接暴露(昔の試験は、根の長さが
約1ー2cmに伸びるまで純水で初期成長させ、その後
試験化合物に暴露させていた)。
その他の短期間代替毒性試験システムとの比較;この試験は、
数多くの異なる有機体、原核生物はもとより真核生物をも
使用したその他の試験システムの結果とうまく合致を示している。この比較の結果
は、下に要約した(Fiskesj・1985aより)。
中国ハムスター細胞株V79;代謝活性システムV79細胞
なしでは、有機水銀化合物に対しては、ねぎの試験
より感度が低いようだ。混合機能の酸化酵素が存在
する細胞培養では、相対感度が逆になる。感度に
変化がでるものの、ふたつのシステムの結果は
総体的に同程度である。
ヒトのリンパ球;ねぎの試験は、ヒトのリンパ球よりも
有機水銀化合物の効果に対してやや感度が高い
ようだが、毒性による化学薬品ランキングは総体的に
同等である。顕微鏡で研究する際、両方の細胞種類が
同じように(cー有機分裂)反応することも指摘しておく。
独立栄養藻、有機栄養素の微生物と活性化した泥;
多くの化学薬品がねぎで試験され、結果を
16の異なる浮遊生物藻(緑藻とけい藻)、
イースト菌(サッカロマイセス・セレヴィシエ)、
原生動物(テトラヒメナ pyriformis)と活性化した
泥(バクテリア、イースト菌、原生動物の構成)と
比較した。
毒性による化学薬品のランクで検査した
際の試験は全て同程度であったが、感度の
違いは明らかであった。殆どの藻はねぎの試験
より感度が高かったが、イースト菌、原生動物、
活性化した泥は感度が低かった。
水生動物(ダフニアマグナ、Brachydario rerioの
卵または腹子と発光バクテリアの試験)と植物
(Lensと単細胞藻);多くの水生植物、水生動物は、
ねぎの試験に比べると、ある種の化合物に対して
感度が低いようだ。例;魚(イトヨ)など。
この場合おそらく、ねぎの試験のほうが感度が
高いので、環境スクリーニングの試験には適している。
その他の動物(例;甲殻類 Nitocra Spinipes)や
植物(例;Lensと単細胞藻)も、ねぎの試験に
同等な結果をだす。
試験化学薬品
広範囲の金属、産業性汚染物質、化合物などを
試験。多種の水源からの水も試験した。例は
参照に記述。
参照; 原文参照
※
代替法へもどる