ヘルプアニマルズ イルカ漁の廃止を

日本では野生のイルカは水産庁が。保護の対象からはずされるイルカの現状

何かを守る根拠となるものが法律です。 イルカは哺乳類ですが、日本では水産庁が管理し、ことごとく法律の対象から除外されています。

●水産資源保護法 

この法律で保護されているのは4種類のみ。 シロナガスクジラ、ホッキョククジラ、スナメリ、コククジラ

●絶滅の恐れのある野生動植物の種の保存に関する法律(ワシントン条約)

取引の規制を図る条約としてワシントン条約があります。輸出国と輸入国が協力し、絶滅が危ぶまれる野生動植物の国際的な取引を規制しようというもので、絶滅の危惧の度合いにより、一番危惧される附属書1から附属書3まであります。

附属書作成の目的は、動物たちの保全の必要性を示すためです。

イルカ類はすべて附属書1および附属書2に指定されています。

附属書1には、スナミリ、ヨウスコウカワイルカや、ミンククイラ、ナガスクジラ他多くが附属書1に指定されています。

附属書1に指定されていない全ての鯨類は附属書2の分類に指定されています。

 附属書1:絶滅のおそれのあるもの。学術研究を目的とした取引は可能。輸出国・輸入国双方の許可書が必要

 附属書2:取引を規制しなければ絶滅のおそれのあるもの。輸出国政府の発行する輸出許可書等が必要

しかし、これに従いたくない場合は、守りませんよ、という意思表示=留保できます。この場合、締約国でない国として取り扱われることとなります。

ミンククジラなどクジラ類すべてについて、日本は留保しています。


●動物愛護法

水族館施設のイルカは、飼育動物として、保護されています。

しかし、追い込み猟で湾内に囲ったイルカは、飼育動物でないため、まったく保護の対象とはなっていません。

つまり、囲われたイルカ類に対して、どんなにひどい殺し方をしても、法に触れることにはなりません。

●レッドリスト

イルカクジラ類は環境省が行うレッドリストの評価対象外となっています。

イルカクジラ類については水産庁が管轄になっています。水産庁はイルカクジラを資源とみなし、漁業者に近い立場にあるもので、水産庁の管理には疑問を感じます。

(背景)
レッドリスト作成のための生物種の絶滅危険程度のアセスメントが行われる。
アセスメントは地球規模で行われるものと、国や地域ごとに行われるものがある。
前者では国際自然保護連合(IUCN)により、アセスメントとレッドリスト作成が行われている。
また、後者では日本においては環境省がアセスメントを実施し、定期的にレッドリスト・レッドデータブックを公表している。ただし、クジラ類の哺乳類や海水魚、海棲の軟体動物は水産庁が担当する為、対象外となっている。トドなどの鰭脚類の哺乳類は環境省と水産庁の両方で管理されるが、評価基準が異なる。これらの事実から日本には完全にまとまった形のレッドデータブック及びレッドリストは、いまだに存在しないとする見方もある。(wikipedia 絶滅危惧種)

●鳥獣保護法

イルカクジラはこの法律の評価対象外です。

第80条において、鯨類はすべて適用除外。「他の法令で捕獲について適切に保護管理されている」というのが除外の理由です。「他の法令」とは、漁業法、上述した水産資源保護法。またこれらの法律は水産業の振興の目的の法律であり、生物多様性を守るためのものではありません。

(参考)
鳥獣保護法 80条(適用除外)
第八十条 この法律の規定は、環境衛生の維持に重大な支障を及ぼすおそれのある鳥獣又は他の法令により捕獲等について適切な保護管理がなされている鳥獣であって環境省令で定めるものについては、適用しない。
2 第三条第三項の規定は、前項の環境省令について準用する。

●ボン条約

日本は未加盟

日本は、移動性野生動物の種の保全に関する条約(ボン条約)に加盟していません。

この条約は、渡り鳥や回遊魚など国をまたいで空や海を移動する動植物は、特定の国が管理するのではなく、国際的に管理するべきだというもの。

加盟していない理由は、小型鯨類(イルカ類)が登録されているため、日本が加盟してしまうとイルカ類の沿岸捕鯨ができなくなるのも加盟しない理由の一つと言われています。


●(参考)国連海洋法

海洋法に関する国際連合条約(国連海洋法条約)の概念に照らし合わせれば、世界から非難されてもおかしくはありません。

●国連海洋法条約第64条 高度回遊性の種

1 沿岸国その他その国民がある地域において附属書Iに掲げる高度回避性の種を漁獲する国は、排他的経済水域の内外を問わず当該地域全体において当該種の保存を確保しかつ最適利用の目的を促進するため、直接に又は適当な国際機関を通じて協力する。適当な国際機関が存在しない地域においては、沿岸国その他その国民が当該地域において高度回遊性の種を漁獲する国は、そのような機関を設立し及びその活動に参加するため、協力する。

2 1の規定は、この部の規定に加えて適用する。

第65条 海産哺乳動物
この部のいかなる規定も、沿岸国又は適当な場合には国際機関が海産哺乳動物の開発についてこの部に定めるよりも厳しく禁止し、制限し又は規制する権利又は権限を制限するものではない。いずれの国も、海産哺乳動物の保存のために協力するものとし、特に、鯨類については、その保存、管理及び研究のために適当な国際機関を通じて活動する。