ヘルプアニマルズ イルカ漁の廃止を

イルカの数がどんどん少なくなる危険性 専門家が指摘

イルカやクジラの生態や資源の管理は、日本では魚類を扱う水産庁が担当しています。日本の魚類の資源管理について、専門家から問題点が指摘されています。

イルカ・クジラについても大変問題が多くあります。

今あるシステムを変えて 規制強化しなければ、イルカがいなくなる可能性があります。


●イルカの資源量について、多くの専門機関が疑問を呈しています。

 ・2012年に60か国の1,800人以上の科学者からなる専門学会、国際海洋ほ乳類学会が、日本における小型鯨類の漁の持続性に関して懸念を示しました。

 ・2013年には国際捕鯨委員会(IWC)の科学委員会が捕獲の持続性に関して懸念を重ねて表明しています。

 ・また最近の調査で、日本が追い込み漁で捕獲を許可している全種が、たとえ現在の捕獲枠を守としても、減少を免れ得ず、この先、生息数の回復も難しいと発表されました。(2013年10月31日のJennifer Londale(eia理事)の発言しています。
   (2013年に環境省、日本動物園水族館協会へエルザ自然保護の会、 PEACEと共に提出した要望書より引用)


●ワシントン条約でも、取引が規制されています。

 取引の規制を図る条約としてワシントン条約があります。輸出国と輸入国が協力し、絶滅が危ぶまれる野生動植物の国際的な取引を規制しようというもので、絶滅の危惧の度合いにより、一番危惧される附属書1から附属書3まであります。
附属書作成の目的は、動物たちの保全の必要性を示すためです。

 イルカ類はすべて附属書1および附属書2に指定されています。

 附属書1には、スナミリ、ヨウスコウカワイルカや、ミンククイラ、ナガスクジラ他多くが附属書1に指定されています。
 附属書1に指定されていない全ての鯨類は附属書2の分類に指定されています。

 附属書1:絶滅のおそれのあるもの。学術研究を目的とした取引は可能。輸出国・輸入国双方の許可書が必要
 附属書2:取引を規制しなければ絶滅のおそれのあるもの。輸出国政府の発行する輸出許可書等が必要

 しかし、これに従いたくない場合は、守りませんよ、という意思表示=留保できます。この場合、締約国でない国として取り扱われることとなります。
ミンククジラなどクジラ類すべてについて、日本は留保しています。

 

イルカの捕獲枠に疑問を呈する国内の専門家

粕谷俊雄氏 

(1)

 「太地でスジイルカ猟が始まったのは1973年だが、「太地のスジイル カ猟も漁獲(数)がたちまち減少した」

(粕谷俊雄「スジイルカ漁業の衰 退に思う」Sphere”Spring 1999, Volume 8, p23)という。

  太地のスジ イルカの捕獲枠頭数は450頭で、捕獲枠が設定された1993年以降変わっ ていない。いっぽう、ここ10年ほど、太地での漁獲は約450頭を推移し、 捕獲枠をほぼ目いっぱい捕っていることになる。水産庁が「過去に捕り すぎた」と認めている捕獲枠を今でも捕り続けているわけだ。さらに 2008年度には510頭という違反捕獲を行ない、その後、漁獲は少し減少 気味である。富戸の例で見ると、漁獲が急激に減少する前に一時的に漁 獲頭数が上昇することが起きている。考えようによっては、一時的に多 く捕ったことが致命的になって漁獲量の急激な減少を招いたともいえる。 太地が富戸の例に倣うことがないように、注意して見守る必要がある。」

  より詳しい情報は 「捕獲枠は適正か? 捕獲枠譲渡がスジイルカに 与える影響」(エルザ自然保護の会)をご覧ください。 

  

(2)

 「漁業者や水産庁のような漁業支援組織は、資源減少の証拠を確実かどうかをとことん確認しようとする。また、回遊の変化とか天候の影響とか、思いつくままに別の可能性を指摘して、それらが否定されるまでは対応を遅らせることができる。つまり、資源が被害を受けていることを証明するのは、保護を要求する側の役目である。これでは、資源が壊滅して、誰も反論できなくなるまで待つしかない。

  これからは、この仕組みを逆にして、資源が悪化していないことを証明する責任を漁業サイドに与えるべきであると私は考える。その証明ができなければ漁業を止めるなり、漁獲量を削減させるのである。外国の水産研究者の間にも同様の主張がでてきた。環境汚染物質の排出規制などでは、このような安全重視のやり方が一般的になっている。

  この仕組みには、明確な資源管理目標の設定とならんで、研究の場と情報の公開が不可欠である。昔はスジイルカの資源研究は大学の研究者がしていたが、1980年代からは水産庁研究者も参加してきた。研究者層の広がりとしては好ましい方向だが、憂慮すべき現象も出始めている。一部のイルカ漁業者は漁獲物の研究を、水産庁研究者にしか許さなくなってきたのである。

  批判者を排除した組織は独善に陥りやすい。
多くの研究者が参加してこそ学問の進歩や早いし、資源管理も安全なものにある。
人類の共有財を利用する水産業の社会的責任も忘れてはならない。」

 ※出展: Sphere(スフィアー) :  写真家・科学ジャーナリストの水口博也さんが責任編集を行う、海のグラフィック誌

 

★粕谷俊雄氏
東京大学農学部水産学科卒業、財団法人日本捕鯨協会鯨類研究所所員、東京大学海洋研究所助手、

 水産庁遠洋水産研究所底魚海獣資源部鯨類資源研究室室長、三重大学生物資源学部教授のち、当大学教授、退官後はフリー。

 

水産庁の資源管理は問題だらけ。専門家も疑問を呈しています。

水産庁の資源管理が問題だらけであることは、イルカだけでなく、魚について も同様です。

 今の日本の漁業のあり方について専門家が警鐘を鳴らし、打開策を提言していますが、水産庁の取り組みは遅遅としています。

  行政は「ちゃんと規制をしている、資源はたくさんあるから大丈夫」といっていますが、それが間違いだったことが、数々の魚の数が減っていることが証明しています。

  片野氏も勝川氏も、著書や取材、水産庁の委員などの立場からの発言を通して、今あるシステムを変えて 規制強化しなければ、魚がいなくなると警告しています。

 (お二人とも問題点や解決策はほぼ同じですが、片野氏はご自身のHPなどをおもちでないようなため、リンク先には勝川氏のブログが多くなってしまいました。)

 ●日本の漁業の問題点

 ・早い者勝ちによる乱獲をせざるを得ない漁業制度

 ・漁獲枠対象魚種が たった7種類しかなく、罰則規定もない

・獲りきれないような漁獲枠を漁業規制の数字で設定している。(勝川俊雄氏 大平洋クロマグロについて、みんなに知っておいてほしいこと)

 日本の漁獲枠(TAC = Total Allowable Catch=漁獲可能量)の対象魚。 種は僅か7魚種のみ。

 米国では、2012年に漁業対象魚の全魚種(528魚種)にTACを広げる方針を出しており、 ノルウェーでは漁獲枠制度がない漁獲対象魚種を探す方が難しいぐら いとのこと。

 ●世界銀行のレポート 世界の漁業は成長し、日本漁業のみが縮小を示唆。

 ・2014年2月、世界銀行が、「2030年までの漁業と養殖業の見通し」(FISH TO 2030)についてのレポートを公開しました。

  世界の漁業は成長し、日本漁業のみが縮小することがわかるそうです。

  データについては、勝川氏が詳しい説明を書かれていますので、こちらをご覧ください

 勝川氏は自身のブログで下記提言をされており、水産庁にも提言を行っておられます。

●提言

 (ア)生物学的に計算される漁獲許容水準に基づくTAC設定の厳正化、決定プロセスの透明化
(イ)TAC設定魚種の拡大
(ウ)TACの厳守に向けた合理的操業モデルの樹立
(エ)IQ制度の導入対象魚種の拡大及びITQ制度の検討 

 ■片野 歩 氏

経歴:
大洋漁業(現マルハニチロ水産)入社。ノルウェーをはじめとする北欧各国の現場と市場を1990年以降20年以上にわたり毎年訪れ、多くの
買付交渉に携わる。1995~2000年ロンドン駐在。現在、マルハニチロ水産・水産第二部副部長兼凍魚課課長。 

魚はどこに消えた?急がれる資源管理

著書:
・魚はどこに消えた?―崖っぷち、日本の水産業を救う
・日本の水産業は復活できる! ―水産資源争奪戦をどう闘うか

 ■勝川 俊雄 氏

経歴:
東京大学 海洋研究所 資源解析部門 助手、三重大学 生物資源学部准教授を経て 現在東京海洋大学の産学・地域連携推進機構勤務


日本の資源管理の現状、打開策は?--> 規制改革で日本漁業を再生する

 漁獲枠対象魚種はわずか7種類 

著書:
・日本の魚は大丈夫か
・漁業という日本の問題