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最先端の動物実験代替技術

動物を使わない技術にはどのようなものがあるのでしょうか。

最近の記事から

2022/5/10 複数の臓器をキューブでつなぐ生体チップ

2022/5/4 創薬や化粧品開発に生かす「線虫」活用システムの仕組み

2020/4/22 GE薬協が共和薬品を処分、正会員資格5年間停止  GMP違反による行政処分踏まえ

2022/4/21 動物実験を実施せずに、新たな抗筋萎縮策を検討できる!? 3次元培養筋における機械的除負荷はタンパク質合成を抑制し、筋萎縮を引き起こす -- 大阪工業大学

2022/3/15 動物実験ではなく、ヒト由来の3D脳オルガノイドで、JCウイルス(JC virus, JCV)感染を証明。 
<脳内オルガノイドによるJCV感染モデルは、JCV感染機構およびPML発症機構の研究に適したヒトモデルを確立し、治療法の探索を容易にすることが期待される>

2022/3/11 イン・シリコ患者固有モデルでがんの予後と薬剤応答を予測  ~細胞シミュレーションによる疾患分類法の開発~ 
このような数理モデルを用いた細胞シミュレーション技術は、疾患メカニズムの同定や定量的解析において優れており、ビッグデータに基づく分類に優れた人工知能(AI)と相補的に創薬研究に用いられることが期待されています。

2022/3/10 実験用ラットの命をAIで救う、MIで見つけた新化学物質の毒性予測 (AI-SHIPSについての記事です。)

2022/2/14 大日本印刷、成育医療センターと共同で(動物実験ではなく)ヒトiPS細胞から創生した「ミニ腸」で三大栄養の吸収を確認 ヒトの栄養に関する国際誌「Nutrients」で発表

2022/1/25 ICCVAMウェビナーのスライドとビデオが公開されました。

1月25日、ICCVAM神経毒性評価のための新しいアプローチ方法論についてのウェビナーが開催され、米国連邦研究機関および規制機関からの2名の講演者が、発達中の成人の神経系に対する化学物質の影響を予測するための動物実験に代わる方法について、重要な問題点と現在進行中の活動について説明しました。

ウェビナーはこちらでで見ることができます。

2022/1/14 脊髄損傷、iPS移植開始 世界初の治療、経過良好―慶大

2021/10/16 株式会社ラスターテック追加。2008年10月設立の獣医学模型・医学解剖学模型の会社。小動物の模型を製作・販売。大動物の模型を輸入販売している会社です。

また、2019年11月より、ドイツ Erler ZimmerI社の正規日本代理店となり、輸入販売を開始致しています。「3D ヒューマン アナトミー シリーズ」です。

2021/8/15 J-Stageで見る国内企業、研究者の脱・動物実験への挑戦追記

その他の更新履歴はこちら。

動物を使わないテクノロジー

国や関連機関による委託調査、助成

MPS細胞

2020年2月 AMEDの委託で行われた「人由来細胞組織を用いた創薬評価技術動向調査」3D培養(オルガノイド)規模拡大予測

2020年3月 経産省の受託調査として行われ、課題の指摘や提案がなされています。インシリコの現状と課題そして提案

2020年  2020年度の科研費事業で、仮想人体構築学へ助成

2015年 日本化学工業協会の度事業計画で【動物実験代替法の普及と活用推進】があげられる。

2015年 経済産業省の資料で、動物実験を行うことなく、生体毒性の予測値を得ることが可能と記載される。

<1>MPS事業 :AMEDの事業で、<再生・細胞医療・遺伝子治療プロジェクト>における「再生医療・遺伝子治療の産業化に向けた基盤技術開発事業」

この事業は、再生医療技術を応用した革新的創薬支援基盤技術として、非臨床試験(動物実験)を用いずに新薬の毒性等を明らかにすることを目指しでいます。iPS細胞等から分化誘導した臓器細胞を作製し、創薬における薬物動態や毒性評価への応用を目指すもので、これらが実用化され広く普及すると、将来的には動物実験の削減・代替に繋がるものと期待されています。2019年度までに腸管循環型、腎細胞搭載型、血液脳関門型デバイスモデルを計 5 件確立しています。  

2017年度に開始され、現在研究開発を実施中で、今年度が最終年度です。 担当部署は、経済産業省 商務・サービスグループ 生物化学産業課です。

2021/2/2 報告書バイオテクノロジーが拓く『第五次産業革命』公開されました。

<2>省エネ型電子デバイス材料の評価技術の開発事業(機能性材料の社会実装を支える高速・高効率な安全性評価技術の開発)  

もう1つ経産省で行っている非臨床試験を削減するための事業として、 省エネ型電子デバイス材料の評価技術の開発事業(機能性材料の社会実装を支える高速・高効率な安全性評価技術の開発) があります。

担当部署は、製造産業局 化学物質管理課です。 プロジェクトHP:https://ai-ships.jp/

2022/3/10 実験用ラットの命をAIで救う、MIで見つけた新化学物質の毒性予測 (AI-SHIPSについての記事です。)

イベント情報

2022(令和4)年のイベント

2022/3/10 「再生医療・遺伝子治療の産業化に向けた基盤技術開発事業(再生医療技術を応用した創薬支援基盤技術の開発)成果報告会」開催のお知らせ

IPS細胞

動物を特定の病気にしたものを疾病モデルといいます。最近では動物の代わりに、IPS細胞から作製された細胞を、新しい病気のモデルとして活用するようになっています。

ES細胞やIPS細胞の発見などにより、臓器に対する薬物の毒性をチップで評価する研究も出ています。

臓器チップ、オルガン・オン・チップ、ボディ・オン・チップなどと呼称されています。

2021年iPS細胞臨床の最新状況

●実施中の臨床研究
神経細胞(パーキンソン病)、網膜細胞(加齢黄斑変性症、網膜色素変性症)、角膜細胞(角膜疾患)、心筋細胞(心不全)、軟骨(関節疾患)

●承認済の臨床研究
神経幹細胞(脊髄損傷)、血小板(輸血)

●計画中の臨床研究
免疫細胞(白血病、がん)、肝臓細胞(肝不全)、膵β細胞(糖尿病)、腎臓細胞(腎不全)

詳細は<iPS細胞ストックを使った臨床研究・治験>をご覧ください。

疾病モデルから臓器チップ、ボディ・オン・チップへ

臓器チップとは、わずか数センチのプラスチック製のチップの上で、人の臓器の機能を再現したデバイスです。ヒト細胞を培養したものが使われ、動物を使った評価に比べ、ヒト生体内と近い薬物反応が期待されています。

心臓、肝臓、など特定の臓器だけならともかく、全身への影響を見る全身毒性の評価は動物の生体を使わなければ難しいとされていました。

肝臓、胚、など様々な臓器を模した臓器チップを連結した多臓器チップが開発され、薬物代謝や体内動態を評価する研究が進んでいます。

ボディ・オン・チップと言われ、ある一定の結果も出て評価されていますが、実用化までにはまだ課題がある状況です。

それでも動物実験にいたるまでにある程度化合物の毒性をヒトIPS細胞で評価できること、ボディオンチップにより全身毒性などの評価ができることから、これらが実用化され、現場で使われるようになれば、動物実験の削減に大きく貢献されるものと期待できます。

全てのヒトの遺伝子を解析するヒト・ゲノム計画は2003年に終わっていますが、どの遺伝子がどの疾病と関係しているかなどについては現在も研究がされています。

ES細胞、IPS細胞の倫理的課題

ES細胞には人工妊娠中絶などの受精卵を使う等の問題があります。IPS細胞は目的の臓器に分化させることができることから、脳や精子、卵子なども作製可能であり、生命とはなにか、生命的な親は誰かなどの議論、またIPS細胞と遺伝子組み換え技術の組み合わせを使えば、ヒト細胞があれば生き物が作れてしまうというような事、技術的には動物に人間の遺伝子をいれて、動物の体内で人間の脳、臓器も作れてしまう、など様々な倫理的課題は山積みです。

動物実験代替技術に関する記事

COVID-19研究のためのMPS (生体模倣システム)の活用 (2021/8/17)

2018-2024年までに近い将来に大きな影響を与えるinvitro毒性試験市場 (2021/4/9)

オルガノイド市場の主要プレーヤー、エンドユーザー、2027年までの需要と消費 (2021/3/31)

ハンドルの技術を活用して新薬 豊田合成が細胞の培養技術を開発 (2020/11/11)

●非常に身近でありながら最もわかっていないものの一つが私たちの脳だ。ヒトの脳がどのように発生し機能しているのかを正確に理解することは現代科学の最大の課題ともいえる。培養皿の上で人間のミニ脳を育てて、謎の解明につなげようという動きが出てきている。

培養皿で作る人間の脳 病気の原因、解明に挑む

脳オルガノイドに関する書籍

●ブタのなかで培養されたヒトの器官、3Dプリンターによる臓器印刷、人工胚、人工精子―神の領域に到達しつつあるバイオテクノロジーがつくり出すそれは、はたして「ヒト」なのか?自らの組織から人工培養した「脳オルガノイド」、いわば「ミニ脳」を目の当たりにした気鋭のサイエンスライターが究極の問いに挑む。

人工培養された脳は「誰」なのか:超先端バイオ技術が変える新生命

3Dバイオプリンター

海外では、3Dバイオプリンターでインクの代わりに細胞を噴出し、人間の耳や血管が生産されています。
国内ではiPS細胞は人間の臓器を作成・再現できるのか注目されています。

外科手技訓練に生きた動物を使わない。シミュレーターや模型で置き換える

株式会社ラスターテック

2008年10月設立の獣医学模型・医学解剖学模型の会社。小動物の模型を製作・販売。大動物の模型を輸入販売している会社です。

これらの商品を動物実験に置き換えて、獣医療や医学の教育現場で積極的に使っていっていただきたいです。

また、2019年11月より、ドイツ Erler ZimmerI社の正規日本代理店となり、輸入販売を開始致しています。「3D ヒューマン アナトミー シリーズ」

株式会社ラスターテックホームページ http://www.lustertech.jp/

企業、研究者の方々による脱・動物実験への挑戦

国内編

2008年10月設立のラスターテックの獣医学模型・医学解剖学模型

獣医学模型

小動物の模型を製作・販売。大動物の模型を輸入販売している会社です。

獣医大学の先生、獣医学を教育なされる先生達から、「このような模型が欲しいんだけどないのかな?」とのお言葉から、当社は模型の輸入を始めました。しかしながら、実際に日本に輸入して、先生達に評価して頂くと「これじゃ、うまく教えられない」、「質が悪い」、「高すぎる」等、なかなかうまくいきませんでした。

世界中探してみても、見つからない模型や、使えない模型がたくさんありました。
それでも、先生達の教育に対する熱意にお応えするため、当社も失敗の連続でしたが諦めずに、自社で模型を開発・製造するようになっていました。完成した模型が、実際に授業で使用されている姿を見て本当に良かったと思いました。この思いが、当社の模型作りに生きています。(株式会社ラスターテック社より)

 

医学解剖模型

実験犬シロのねがい

 

歩くネコをロボットで再現、反射回路を新発見 ~四脚歩行ロボットで動物の生体解明へ~

大阪大学大学院工学研究科の大学院生(当時)の谷川豊章さ ん(令和 3 年 3 月博士前期課程修了)、増田容一助教、石川将 人教授らの研究グループは、動物の神経および筋肉の特性を 再現可能な四脚ロボット(図1)を開発しました。本ロボット を用いた歩行実験により、ネコの安定した歩行運動を生み出 す反射回路の候補を発見しました。(2021年4月 大阪大学プレスリリースより)

バイオニックヒューマノイドが招く新産業革命 2019年

医療機器やサービスロボット開発など、ヒトに関わる機器の研究開発・評価・教育・訓練では、感覚的表現が多用され、試行錯誤も多いため、革新的技術シーズが社会に届くまでに時間がかかることが課題でした。本プログラムでは、ヒトや実験動物の代わりとなるセンサ付精巧人体モデル「バイオニックヒューマノイド」を開発し、これを活用することで新産業革命を加速させることを目指しています。本動画では、脳外科や眼科を対象とした手術シミュレーション用のモデルや手術ロボット、サービスロボット評価用のペインセンシング・ダミーなどの成果をご紹介しています。

超精密人体ロボット「イブ」 2007年度優秀賞

血管内手術の技術トレーニングのための超精密人体ロボット「イブ」(ファイン・バイオメディカル/名古屋大学)。名古屋大学福田研究室の技術を基に実用化した、血管内カテーテル手術(血管諸疾患に対する最先端医療)の技術トレーニングを目的とする世界初のテーラーメイド患者ロボット。

体内にはCT/MRI像をもとに患者個人の血管が精密に再現(精度:0.01mm)され、疑似血液の循環による血管の脈動や医療器具の操作感覚をリアリティ高く再現されている。血管に加えられた応力等から手術の進行状況を分析し「危ない!」などと声や映像で術者に状況をフィードバックする。動物実験に代替する、「身体再現性」と「機能性」に優れたシミュレーション環境を提供が可能。

昭和大学 歯科患者シミュレーター

2010年にアップロードされています。

バーチャル解剖模型 VAM

VAMは、岐阜大学の教授がトルソーにCGを投映し,よりリアルな人体模型を開発した医学用教材のバーチャル解剖模型です。詳細は 岐阜大学のページ<人間特有のモノの見え方をバーチャルの世界で再現>をご覧ください。2007年にアップロードされています。

 

海外編

動物実験を行わず、ガンの薬を開発:ヘブライ大学教授 2021/3/8

動物実験をせず、ガンの薬を開発

ヘブライ大学の教授は、人間の体を模倣したテクノロジーが開発され、この技術により開発時間、研究費、動物の命を削減すると発表しました。

ヘブライ大学の研究者がヒト組織を使って作成したチップは、腎臓、肝臓や心臓などヒトの体を正確にモニターすることができるとのことです。この臓器チップのアイデアは30年前からありますが、今回のイルラエルチームの研究は、動物実験を完全に削減するため、全く新しい治療法の作成に成功した最初 のものであると考えられるとしています。

The Times of Israelの記事 Israelis create cancer drug without animal tests, by using human-simulating chip (The Times of Israel 2021/3/8)

Towards Animal-Free Drug Development | Prof. Yaakov Nahmias | Tissue Dynamics

 

実験室で誕生 脳オルガノイド

動物実験に代わる手段として,発生中の脳の主要部分を培養皿の上で育てる方法がある。こうした「脳オルガノイド」はマウスの実験では得られない情報をもたらしてくれるだろう。すでにジカウイルスの脳への影響を調べるのに利用されている。

日経サイエンス 2017年3月号

 

製薬会社ノボノルディスク

2011年11月29日 ノボノルディスクは、生物学的製剤のための動物を使ったバッチテストを今後行わず、生きた動物を使って、生物学的製剤製品の生産テストを行わないと発表し、動画を公開しています。

詳しくはこちらをご覧ください。, 日本支社HP

“A milestone in animal ethics” (9分)

人間に最も近い合成人体:SynDaver™ Labs (英語) 

大事故での怪我をした人のモデルを数多く作成しているSynDaver Labの作品です。

臨床研修や手術シミュレーションを行う医学生や研修医の為、人間に果てしなく近づけた­という合成人体が、米アリゾナ州フェニックス、アリゾナ大学とSynDaver研究所­の研究チームによって開発された。この人体は、脈打つ心臓を持ち、血液も流れており、­肝臓では肝汁も作られている。

現在、アメリカの医療現場では本物の人間の死体や動物を使用しない方向で、それに代わ­るものが開発されている。

合成ボディをより本物の人間に近づけることで、生物を実験や教材に使用することなく、­医療従事者のスキルが向上することが目的である。

SynDaver™ Labs youtube pageはこちら 

 

人間の骨格の動きまで再現する 3D人体解剖アプリ「teamLabBody」

「teamLabBody」は、世界で初めて、生きた人間の骨格の動き・人体の形態を­忠実に再現したデジタル教科書・3D人体解剖アプリです。10年以上にわたって生きて­いる人間ですべての関節の形態や動きをCTやMRIで撮影し、そのデータを元に、チー­ムラボと大阪大学の菅本教授が共同開発したものです。
(http://jp.diginfo.tv/v/13-0089-r-jp.php)

2013年にアップロードされています。

 

 

J-Stageで見る国内企業、研究者の脱・動物実験への挑戦

国内編

J-STAGEは、文部科学省所管の独立行政法人科学技術振興機構が運営する電子ジャーナルの無料公開システム。1998年にプロジェクトがスタートした。正式名称は科学技術情報発信・流通総合システム。

人体モデル・臓器モデルのBiofidelity:世界動向と標準化活動

鎮西 清行, 山下 樹里, 太田 信, 2019 年 Annual57 巻 Abstract 号 p. S204_2

抄録

筆者らはImPACT「バイオニックヒューマノイド」に参加して,主にその国際標準化に関する活動を行ってきた.2018年にISO TC 150にWG 14 Models of tissues for mechanical testing of implantsを設置し太田がコンビナーに就任した.同WGが開発する文書は,医療機器の開発や評価のための「モデル」が対象であり,医療機器を直接の対象としない.しかし臨床試験がコスト,期間,研究倫理とCOI,十分な被験者数の確保等の課題に直面し,動物実験もコスト,期間,動物倫理の課題に加えて外挿性の説明の困難という本質的な課題がある.

例えばFDAは曖昧な外挿性を根拠とするよりも妥当なモデルに基づく評価の方が適切な場合があるとしている.本邦は動物実験,臨床試験のコストが高く,これらに依存する医療機器開発は競争力を失うことが予想され,モデルによる評価法の確立は喫緊の課題である.また3Dプリンタの発達によって外見,形状のリアリティの高いモデルの複製は容易になりつつある.しかし外見,形状の類似性だけでは医療機器評価に用いてよい根拠とならない.我々はBiofidelityの概念の確立,これに基づくモデルの仕様決定と使用法の要件を主題とする国際標準の普及を目指している.

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsmbe/Annual57/Abstract/Annual57_S204_2/_article/-char/ja

 

サルの動物福祉-管理獣医師の視点から-

礒部 剛仁, 第48回日本毒性学会学術年会 (2021年) セッションID: S7-5

抄録

動物実験は、それにより得られる人類にとっての利益(benefit)と、実験を実施することで動物が被る苦痛(harm)を天秤にかけ、harm-benefit analysisにより実験の是非を考える。動物実験を計画するとき、我々研究者は実験の必要性や意義について深く考える一方、サルの苦痛を真剣に考える機会は少ない。

苦痛には身体的苦痛と精神的苦痛があり、とりわけサルのような高等動物では後者への配慮が重要となる。動物実験に汎用されるカニクイザルは、自然界では樹上生活を基本とし、数頭~数十頭の群れで社会的な生活を送る。これらはカニクイザルの生得的な行動であり、それが発揮できないことは精神的苦痛になる。したがって、実験施設でサルを飼育する場合、期待される飼育環境の水準は本来非常に高い。近年、群飼育や環境エンリッチメントなどの飼育条件がサルの生理状態に及ぼす影響について多数の研究が報告されている。また欧州ではケージサイズを規定したガイドラインが施行され、サルの飼育に広い空間が必要となった。

このようにサルの動物福祉に対する意識はグローバルレベルで高まりつつある。適切な飼育環境に関するエビデンスが示され、それと共にルールも変わりつつある中で、それらを取り入れず従来の飼育条件を踏襲したサルの実験を続ければ、いずれ科学界や社会にも受け容れられなくなる可能性がある。サルの動物福祉を取り巻くこのような現状を鑑み、当社ではサルの飼育環境を向上する取組みを行なっている。また、社内で3Rsを推進する活動を実施し、動物福祉と3Rsの文化醸成に継続的に努めている。その結果、薬物動態研究においてカニクイザルの使用数削減を実現する新規評価法も開発された。本講演では、製薬企業の管理獣医師として動物福祉を推進する者の視点から、サルの動物福祉に関する現状の課題を挙げるとともに、その改善に向けた当社の取組みを紹介する。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/toxpt/48.1/0/48.1_S7-5/_article/-char/ja

 

日本野生動物医学会「野生動物医学研究における動物福祉に関する指針」の改定方針

淺野 玄, 2020 年 25 巻 2 号 p. 67-70

抄録

野生動物における動物福祉に関する法律や規則の整備は,家畜や実験動物に比べて遅れているといっても過言ではないだろう。日本野生動物医学会では,野生動物の福祉や倫理の現状と課題についての議論を重ね,「野生動物医学研究における動物福祉に関する指針」(2010)を策定している。

しかし,野生動物福祉に関する近年の国際動向の変化などから,現在の指針の改定が求められていた。本学会が対象種とする野生動物は,魚類から哺乳類まで多種に及ぶだけでなく,研究・飼育動物実験・飼育展示・傷病鳥獣・教育・愛玩飼育などの取り扱いの状況も多様である。そのため,対象とする野生動物の種や取り扱いの状況によらない基本的な指針を策定した後,分類群や取り扱い状況に応じた個別のプロトコルを順次策定する予定である。改定にあたっては,国内外の関係学術団体や教育・研究機関との連携も必要だろう。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjzwm/25/2/25_67/_article/-char/ja

 

iPS心筋細胞のインシリコモデルを用いた心毒性リスク評価

芦原 貴司, 第47回日本毒性学会学術年会 (2020年)セッションID: S20-3

抄録

近年,創薬にかかる安全性薬理・毒性試験において,経費のかかる動物実験や臨床試験の一部をヒトiPS細胞由来心筋細胞(hiPSC-CM)やin silico(コンピュータシミュレーション)を用いた実験で置き換えようとする動きが拡がりつつある.その一方で,hiPSC-CMの電気生理学的特性が,オリジナルの心筋細胞とは異なることが知られるようになった.実際,hiPSC-CMはヒト心室筋細胞(hVCM)に比べて,活動電位時続時間が長く,活動電位波高が低く,静止膜電位が浅く,自動能を有するという違いが指摘されている.

そこで我々は,ヒト心室の電気生理学的特性を忠実に再現したin silico hVCMと,hiPSC-CMの電気生理学的特性をin silicoで忠実に再現した仮想モデル(viPS)を共通構造のもとで構築することで,その両者の違いを分子・細胞・組織レベルで把握するとともに,その溝を埋めるための方策をin silicoのみで検討することを発案した.そうした検討を続けるなかで,hiPSC-CMは幼若化細胞の特徴を有するがブラックボックスな要素が多いこと,細胞内外のイオン濃度が異なる可能性のあること,hiPSC-CMシート(組織レベル)では興奮伝播速度も組織興奮性も落ちること,その結果,頻脈性不整脈の基本メカニズムである興奮旋回(リエントリー)は性質が異なること等が分かった.

hiPSC-CMを安全性薬理・毒性試験に応用する際には,そうした違いをどのように埋め,評価するのかを理解する必要があり,そうした評価にはviPSのようなアプローチが有用と考えられる.

https://www.jstage.jst.go.jp/article/toxpt/47.1/0/47.1_S20-3/_article/-char/ja

 

ヒトiPS細胞を用いたシグナル経路に基づく催奇形性試験法構築への試み

菅野 聖世, 大久保 佑亮, 北嶋 聡, 福田 淳二, 第47回日本毒性学会学術年会 (2020年)セッションID: P-241

抄録

【背景】現行の発生毒性試験は膨大な動物数・時間・経費を必要とするため、動物実験に替わり化学物質の催奇形性作用を検出可能な代替法が求められている。さらに、催奇形性物質の影響は動物種や胎児の発生段階によって異なるため、ヒトの各発生段階における催奇形性を評価可能な代替法を開発する必要がある。今回、我々は多能性を持つヒトiPS細胞を用いた新規のin vitro試験法構築を試みた。初期胚発生や器官形成において細胞の増殖、分化および形態形成を制御するシグナル経路に注目し、化学物質がそれらに及ぼす影響を検出することで催奇形性の評価が可能ではないかと考えた。

【方法】文献情報から初期胚発生および器官形成において重要なシグナル経路とその下流の転写因子 (FGF (SRF)、Wnt (β-catenin)、TGF-β (SMAD2/3)、BMP (SMAD/1/5/8)、Hedgehog (GLI1)、Notch (RBP-J))を選定した。各転写因子の応答配列下流でNanoLuc Luciferase遺伝子を発現し、また内部標準としてユビキタスプロモーター下流でFirefly Luciferaseを発現するレポーターベクターを作製した。ヒトiPS細胞のゲノム (AAVS1領域)にCRISPR/Cas9システムを用いてレポーター遺伝子をノックインし、各シグナル経路のレポーター細胞を樹立した。

【結果・結論】各シグナルのレポーターベクターを293T細胞にトランスフェクションしたところ、リガンド濃度依存的に各シグナルレポーターの発光強度が増加した。このレポーターベクターをドナーDNAとしてヒトiPS細胞にゲノム編集を行い、各シグナル経路応答性のレポーター細胞を樹立することに成功した。今後は各レポーター細胞に既知の催奇形性および非催奇形性物質を暴露し、催奇形性が評価可能なのか検証する。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/toxpt/47.1/0/47.1_P-241/_article/-char/ja

動物実験削減、廃止を願って

実験犬シロのねがい:2012年、2020年リニューアル出版されました。協力者として参加しています。

1990年 東京の国立療養所村山病院でぼろぼろで体が不自由な一頭の白い犬が保護されました。

犬は脊椎神経を損傷させられる実験に使われていました。この犬が保護され新しい飼い主さんの元手厚く看護された実話を絵本にしたものです。
動物権利団体が保健所から研究施設への犬猫の払下げ運動を展開し、その後、東京をはじめとし、各地の行政は払下げを廃止しました。

これにより日本で動物実験に使われる犬と猫の数は激減しました。
払下げ中止の元になったシロちゃんの事をかいた本です。

 

解剖実験

What your teacher never told you about dissection. peta2.com/Dissect Subscribe to peta2tv: http://peta2.me/2cuol Pledge not to dissect NOW: http://peta2.me/2pkt7

 

アースリングス物実験日本語字幕

動物実験が行われるのは、人間の病気の治療法を見つけるためだと言われる。 そして、動物で得られる実験結果が、そのまま人間にも適用できるという考えのもと、実­験動物には病気の状態が故意に作り出される。 動物は人間とは違った反応を見せるので、安全性を確認するため、動物に対して行われる­のと同じ実験が結局人間でも行われる。

動物への実験は誤った結論を導き出し、医学の進歩を遅らせている。 故意に引き起こされた病状と自然にかかった病気との間には大きな違いがある。 動物実験では、動物に毒物を与えたり、電気ショックを与えたり、無麻酔で手術をしたり­、外傷を負わせたりする。 軍事目的の研究の場合は、放射能を当てられたり、爆弾を試したりもする。 映像では、同じヒヒに繰り返し、衝撃が与えられている。

自動車の衝突事故を再現し、その脳へのダメージを研究するためである。 20年前、動物実験で殺される動物の数は世界で一日当たり40万匹だった。 その数は年間5%の割合で増加し、現在では1分間に1万9千匹、一年にして 100億匹と推定されている。」

Youtubeページはこちらをクリック

アースリングズ動物実験

 

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