動物実験をなくしていこう
このサイトでは、動物の利用の現状を知っていただきたく、動物の写真や動画を掲載しています。
目を覆いたくなるような悲惨で残酷な写真ばかりです。動物の置かれた事実を伝えるためサイトの意図を理解し、あらかじめご了承ください。
産業動物は、”命”として扱われず、お金を産ませるモノのように扱われています。動物たちの命の剥奪は、社会の中で当たり前に行われています。
動物を殺して食べたり利用したりすること自体は容認できるとしても、動物の扱い方、飼育、輸送、殺す方法には、改善する余地があります。
ページ<あなたにできること>をぜひチェックしてみてください。
実態の把握、動物の苦痛の削減を目指し、企業や行政へ意見を届けています。メールマガジン配信ご希望の方がいましたら、メールにてお知らせください。
アメリカ環境保護庁(EPA)は、哺乳動物を使用する研究の実施及び同研究への助成支給を、2035年までに廃止することを発表しており、世界屈指のゲノミクス研究所は動物実験施設の閉鎖を発表しています。
EUでは、霊長類を使った動物実験は原則禁止とされ、化粧品開発のための動物実験はEU、インド、台湾で禁止されています。
台湾は、2022年2月、血圧コントロール製品の認証申請を行う企業の選択肢から、動物実験を削除しました。2年間の猶予期間付きとなっています。
欧米では、製薬企業が、犬や猫については動物実験が終了した後、殺さずに、一般の飼い主を探して譲渡することも行われています。
日本では、現在も実験後の動物は速やかに安楽殺することが望ましいとされ、実験動物の譲渡は行われてきませんでした。
そのような中、2018年、酪農学園大では実験使用予定だったビーグル犬を大学生の希望を受け入れ譲渡しました。
また、マーシャル・バイオリソーシス・ジャパン株式会社は、2016年8月より実験に使われたビーグル犬について、二次利用をするプログラム (Beagle R program )を開始しており、実験終了後に、研究所、獣医学部の解剖実習(冷凍個体)、一般家庭(ペット)から選択しているということです。
2022/5/20 第33回東北動物実験研究会講演要旨
2021/8/2 実験動物の里親制度 (実験動物医学会)
Ex Vivo。in vivoとin vitro(ヒト臨床試験)の間に位置するex vivo試験。外科手術で摘出された生きたヒト皮膚を用いて行う試験法です。
in vivoとヒト臨床試験の間には大きな乖離が存在するため、欧米ではex vivo試験も使われていますが、日本では法整備が整っていません。
DRC社は環境が整っているフランスで研究室を作り、ヒト組織を使って、皮膚に関する試験を行っています。法整備が整えば、需要は多くあるかと思います。→ フランスにex vivo試験専門研究室SOLAを設立
2019年6月 眼刺激性試験「Vitrigel®-EIT法」がOECDテストガイドラインNo.494として収載されました。生きたウサギを拘束し、目がただれる様子を観察するなどで知られた試験に、早急にすべて置き換えられていくことを期待します。→ 眼刺激性試験「Vitrigel®-EIT法」とは、OECDの資料
2019年6月、魚類急性毒性試験は、96時間の半数致死濃度LC50を試験するOECD TG203が改訂され、ゼブラフィッシュの受精卵を使うTG236やQSAR (定量的構造活性相関)が推奨されています。→ OECD TG236
2022年1月の記事。【動物福祉の主張と具体化された施策】に、家畜、娯楽、ペットショップ、動物園などに対して規制を行っている国や都市ががわかりやすくまとめられています。 こちらのページの【動物福祉の主張と具体化された施策一覧】をご覧ください。
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2022/5/31 ナショナルジオグラフィクスがEnvigo社実験動物施設をとりあげました。ブログでEnvigo社の事件発覚、犬救出を含めた経緯をとりあげていますので見てみてください。
サンクチュアリプロジェクト応援してください!
かつて医学実験に使われたチンパンジーたちのサンクチュアリ=熊本サンクチュアリ。そのチンパンジーサンクチュアリを応援している団体がサンクチュアリプロジェクトです。
2012年5月、30年間ケージの中で、ウイルス感染実験に使われていた最後のチンパンジー達が熊本サンクチュアリに移動され、国内に136人いた医学感染実験チンパンジーがゼロになったのです。→ サンクチュアリプロジェクト
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2022/6/5 動物実験のページに、マーシャル・バイオリソーシス・ジャパン、実験後ビーグルの二次利用追記。研究所、獣医学部の解剖実習(冷凍個体)、一般家庭(ペット)からの選択。一般家庭への譲渡の割合が増えてほしいですし、他企業も制度を作って譲渡を開始し公表してほしいです。
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2022/5/8 実験用に輸入されたイヌ、サルの数更新 2022年5月、農水省の統計2020年度版が出ました。実験用に2020年に輸入されたイヌとサルの数を記載しました。
2022年5月 米国獣医学会 動物の安楽死指針2020年改定版(和訳)発行
従来実験動物中心でしたが、この改訂版では第3章にS1コンパニオンアニマル、S2実験動物、S3家畜、S4馬、S5鳥類、S6魚類と水生無脊椎動物、S7野生動物と7つの動物に区分されて記載されている。
令和5年度厚生労働科学研究事業実施方針(案)
新規研究課題として推進するものとして動物実験代替研究盛り込まれる。
(1)研究事業の目的・目標 p30
背景:
厚生労働省所管の機関における動物実験関連基本指針の遵守徹底および適正な動物実験等の方法の確立に向けた研究
(2)新規研究課題として推進するもの p140
○ 化学物質に係るヒト健康影響を推定するための in vitro アッセイが既存の反復毒性試験等の動物実験を代替する可能性を比較・検証するための研究
これまでに基本的技術が開発済みである動物実験代替法に資する試験管内で実施する試験方法に関し、コスト等にも留意して実用化可能かどうかの検証を行う。
○ 毒物又は劇物の指定等にかかる判定基準の策定に資する研究
毒劇物の毒性又は劇性の判定基準として、主に動物実験による致死性を指標として判定してきた。現在、動物実験の代替法の研究を行っているところであるが、致死性以外の新たな指標の策定、指標を判定するための実験方法の確立に関する研究を行う。
資料6:令和5年度厚生労働科学研究事業実施方針(案)の作成に向けた意見伺いについて
厚生労働省は、2022年度研究事業実施方針 (AMED)に代替法
厚生労働省は、2022年度研究事業実施方針 【AMED研究】において、新規研究課題として推進するものとして、動物実験代替法にふれています。
"安全性評価法のひとつである、生殖毒性 S5(R3)ガイドラインで利用できる試験法として、ゼブラフィッシュを用いる試験法およびマウス ES 細胞及び/またはヒト iPS 細胞を用いた in vitro 試験法を開発する。また我が国で開発された MPS(生体模倣システム)の国際標準化を目指す。"
○医薬品等に係る薬事規制の国際調和に資する研究・「医薬品等の動物実験代替法を用いた安全性評価法の国際協調に向けた研究」
薬学会でインビトロの研究
2022年3月25日~28日、日本薬学会第142年会が開かれ、インビトロ関連のものがいくつかあります。
・ヒトiPS細胞を用いた発達神経毒性評価法の現状と今後の展望
・化学物質のラット反復投与毒性の予測系開発に向けたインビトロ試験の有用性解析
・薬物動態のインビトロとインビボはどこまで近づけるのか
動物実験等の実施に関する基本指針遵守状況調査結果 (2021年度)
文科省より、<「研究機関等における動物実験等の実施に関する基本指針」等 の遵守状況に関する令和3年度調査結果>が公表されています。
研究機関等における動物実験に係る体制整備の状況等に関する調査結果について 一覧はこちら。
研究費の不正使用事案(一覧)
2021年 改正GMP省令施行
2021年8月1日付けで改正GMP省令施行されました。16年ぶりの大改正とされています。
背景には、2015年に発覚した化学及血清療法研究所(化血研)による不正(承認書と異なる方法で製造、20年以上隠蔽)、2021年には、小林化工、日医工、久光製薬、北日本製薬、長生堂製薬等 による不正(承認書と異なる方法で製造、虚偽記載)で業務停止命令や業務改善命令が出されたことがあります。
化血研の不正発覚後、厚労省は医薬品の製造販売承認書と製造実態に関する一斉点検を行い、結果を公表。 医薬品の品質、安全性に影響を与えるような、事前承認が必要な相違はなかっとされました。
2021年2月には、通告無しで製造業者の立入検査を強化するよう通知も出されました。
医薬品の製造業者におけるGMP省令違反等を踏まえた無通告立入検査の徹底強化等について(2021/2/9)
2021年に次々の発覚した不正。
GMP省令改正は当たり前とされる<承認書の順守>が明記され、国際整合が図られているそうです。
実験用うさぎの輸出増加
農水省広報誌によれば、2021年に入り、実験用うさぎの輸出が増えました。コロナの影響と考えられます。
実験用サルの輸入港の追加
2020年11月10日より、鹿児島空港がサルの輸入港として新たに指定されました。輸入サルの指定港は成田国際空港と関西国際空港の2空港に加えて、3つめになります。
2005年7月1日から、ペット目的としてサルは輸入できなくなり、現在、輸入されているサルは、試験、研究又は動物園での展示用です。しかし、過去数年間、基本輸入されたサルに展示用はなく、全て実験用です。
獣医大学における生体を利用した実習調査結果公表
2020年9月に「獣医大学における生体を利用した実習での動物の取扱いに関する調査」が実施され、2021年3月31日調査結果が公表されました。
文部科学省および環境省から各大学へ適切な対応をとるよう指示がなされました。
・動物実験のあり方を考える (2019年10月)
・ARRIVEガイドラインとPREPAREガイドライン概要。(pdf p4-p8)
ARRIVEガイドライン:文中に報告すべき内容
PREPAREガイドライン:動物実験計画において、考慮すべき内容
・中国NMPA動物実験の代替試験法の根拠法規について (2021/2)
・in silico評価手法の活用 (2021/12)
他、NITE講座2021 資料 (化学物質関連資料)
・細胞を用いた動物実験代替法試験 2020/8
・ 生命科学 / 畜産・獣医学 統計データ 2016-2020
・実験動物販売数調査3年毎に行われている実験動物販売数調査です。
最新版は2019年度の調査となっています。
・実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準の解説 (2017/10)
本書は我が国の動物実験の基となる「基準」の37年ぶりの改訂解説書。法令で求める動物実験に関する事項を再確認し、動物実験「体制」とその「機能」のあるべき姿を読み解くための解説書であり、「実験動物の六法」となる。
・ 実験動物ニュース
2022年2月 バージニア州カンバーランドにある大規模な繁殖工場で、悲惨なビーグルの様子が撮影されましたが、400頭のビーグルが解放されることになりました。
映像が撮影されたこと、査察が入り、動物虐待が指摘されたこと、州知事や議員さんが法案を提出したことなどが大きかったのだと思います。
■解放されるまでの道のり■
この繁殖施設は、2017年 動物団体SHARKが動物実験施設Covance(コーヴァンス)の施設を上空から撮影し、苦しむ犬たちを撮影しました。さらに2019年、2020年にも撮影し、ジェニファーボイコ上院議員は、こうした飼育施設を違法とする法案を提出しました。
Envigo(エンヴィーゴ)が何度か動物福祉違反で検挙された後、ビル・スタンレー上院議員は、Envigoから少なくとも400頭のビーグルの里親を探すための活動していると発表しました。
2022年2月12日(金)、150匹のビーグルがこのプロセスを開始し、今後数週間で合計400匹のビーグルがリリースされる予定です。
犬たちには、ベッドも、おもちゃも、刺激もない、現実の生活がありませんでした。50年以上も前から、さまざまな企業がこの犬工場の農場で犬を飼育し、実験室に売って実験を行ってきました。詳しくはブログをご覧ください。
2019年ドイツ動物実験施設映像
映像が明るみに出なければ今も続いていたでしょう
Youtubeは下記写真をクリックしてご覧ください。
関連記事:
2019/10/17 ドイツで犬、猫、猿などに「暴力的な」動物実験 「犬は殺されるために檻から出されても尻尾を振っていた」
サルのための活動団体(海外)
動物実験に使われるサルについての活動をする団体 JUNGLE Friends
アメリカ環境保護庁
2019年9月10日 アメリカ環境保護庁(EPA)は、哺乳動物を使用する研究の実施及び同研究への助成支給を、2035年までに廃止することを発表しました。詳しくはブログでご確認ください。
世界屈指のゲノミクス研究所
世界最大製薬企業コバンス
世界最大製薬企業コバンスは2009年に、アリゾナ州チャンドラーに150百万ドル(1億5千万円)かけて作った研究施設(実験施設)を閉鎖することを2012年5月4日に発表しました。詳しくはブログでご確認ください。
問題点:
・全体像の把握ができない。
・苦痛軽減を担保するシステムとなっていない。
・獣医学的ケアが担保されていない。
・実験計画書に対し、倫理的な視点から、委員会から研究者に対指摘をすることが本当に可能なのかどうか不透明。
目標:
・実態把握のための、国主導の基礎調査と、結果の公表。
・代替法の推進、<まずは動物実験ありき>から<人体のシミュレーション研究をより一層加速させる>ことに重心を変更し、人体シミュレーション技術開発の基盤を創る。
・具体的削減目標の設定。
計画:
・実態の調査のための基礎調査、国主導で実験動物の数、苦痛カテゴリー別の動物実験の種類、数など統計を取る
・達成状況や3Rの推進内容について、研究機関ごとに提出
・調査結果の公表
取組方針:
・推進するための具体的な方針決定:国や業界団体との連携、研究者への浸透
・動画を取り入れた動物実験教育
「動画を取り入れた動物実験教育と動物施設バーチャルツアーに向けた試み」
三浦 竜一(東京大学ライフサイエンス研究倫理支援室 教授)
・鎮痛重視の麻酔を考える
・動物実験施設の動画公開(ライブカメラ)
・国レベルでの統一したエンドポイントの評価システム
・公開できるところから公開するようにする:
・実施結果の数値化、公表:動物の数を減らした、苦痛軽減をこのように図ったなどの事例を公開
・3R取組事例の具体例公表
・環境エンリッチメントの内容の公開
・具体的な3Rの内容公開。どのくらい動物の置き換え、苦痛レベルの低減などを進めているかを公開。
・カテゴリD(脊椎動物を用いた実験で、避けることの出来ない重度のストレスや痛みを伴う実験)の実験数と動物使用数の公開
人道的エンドポイントの議論
人道的ポイントは現場で守られているのか、目安について議論の必要はないのか。研究から得られる成果が、動物に与える痛み苦しみと比較し、大きいかどうか、危害便益分析はもっと広く議論され、十分に評価されなければならないのではないでしょうか。
人道的エンドポイントを適用する目安として以下のようなものが考えられています。
・食べない、飲まない
・苦しそうな症状(異常な鳴き声、呼吸障害、異常な姿勢)
・回復の兆しが見えない長期の異常(下痢、出血など)
・急激な体重減少(数日感で20%異常)、腫瘍サイズの急激な増大(体重の10%異常)
参考リンク
環境省「動物愛護管理のあり方検討小委員会」ヒアリング資料 平成 23 年 9 月 28 日 公益財団法人実験動物中央研究所 鍵山直子
以下のような耐え難い痛みを動物に強いる動物実験は禁止になるべきだと考えます。
情報開示請求でどこまで公開されるか ~京都大学のあるサルの実験の場合 その1~(外部サイト)
実験計画書の公開と実験中、実験後の動物の適切な管理
・動物実験以外に他に方法はないのか
・鎮痛薬、麻酔薬は適切に使用されているか。
・実験後、動物の様子はどうか、研究に影響を及ぼさない範囲で、動物の苦痛は早やかに取り除かれるべきである。また治療も行われるべきできである。
・苦痛や恐怖を感じないよう、最大限に配慮されているか。
実験後動物の里親さん制度導入
基本実験が終わると殺されますが、殺さなくてもいい動物に関しては里親さんを見つけるなどの制度を作ってもらい、一部動物たけでも殺処分の対象からはずせる制度があればいいと思います。
代替法推進
代替法がNITE、JACVAM、他企業により研究されています。
国の予算を代替法研究にもっとつけてもらえるよう意見を届けていきましょう
法改正で登録制導入
アメリカやEUでは国が数字を把握しています。
日本では把握できません。
研究者による激しいロビー活動もあるようです。
登録制導入にむけて活動していきましょう
実験業界
法改正への業界の根強い反対
2019年3月に、動物実験業界から政府に法改正しないよう要望書が提出されました。
要望事項は、 動物実験の適正化と3R原則の推進には、動物の愛護及び管理に関する法律の第41条は改正せず、 現行の各種規制の下で機関管理制度をさらに発展・充実させることとなっています。
賛同団体は医学団体120団体です。 要望書全文と賛同団体一覧: https://www.renkyo.or.jp/
実験用イヌとサルの数を増やすよう政府に要望
2015年日本製薬工業協会は、研究現場では実験動物が不足しているとし、実験用イヌとサルの海外輸入に関する要望書を厚生労働省に提出しています。
国内ではTOYOビーグルなどが知られており、繁殖され、実験に使われます。
実験に使うためのイヌネコの輸入については、生産施設が指定されています。農林水産大臣が指定する試験研究用の犬及び猫の生産施設で確認できます。
※1981年には年間10万頭。2004年では20,000頭使われていました。以前は、ほとんどが野良犬や保健所からの払い下げでした。
1991年に東京都が動物実験を行う機関への犬と猫の払い下げを中止したことをきっかけに、多くの自治体が次々と中止したため、この年から数が減りだしました。
イヌは、次のような実験に使われています。
・ 再生医学の分野で、神経や臓器などを切除・破壊され、再生する研究
・ 外科の手技訓練のため、心臓など臓器の手術、移植、低体温処理、人工心臓、心臓カテーテルなどの実験 。
・ 犬の腹水のための研究 (腹水がたまるようにされた犬を腹水犬といいます)
・ 薬の薬効薬理、安全性試験のため、毒性試験を始め多くの薬の研究
・ 消火器系の研究(犬を胃潰瘍、消化器系の病気になるようにし、実験に使います)
・ ある疾患や病気になるように意図的に動物を病気にされた動物のことを、”疾患モデル動物”と言いますが、糖尿病、代謝異常などのモデルとして利用されている
実験用サルについて
2005年7月1日から、ペット目的としてサルは輸入できなくなりました。現在、輸入されているサルは、試験、研究又は動物園での展示用です。
2005年以降、年間5000頭から8000頭のサルが輸入されています。
2020年11月10日より、実験用サルの輸入指定港として鹿児島空港が追加されました。実験用サルは毎月、数百から月によっては千頭を超える数が輸入されています
サルを使った動物実験プロジェクトである日本バイオリソースプロジェクトニホンザルは2006年に開始され、国をあげての研究支援を行ってきています。
2014年には新しいサル実験用新感染症実験施設完成、2015年には日本製薬工業協会が、研究現場では実験動物が不足しているとし、実験用イヌとサルの海外輸入に関する要望書を厚生労働省に提出しています。
サルは、次のような実験に使われています。
・ 脳科学、神経生理、薬理学、整形外科、再生医学、臓器移植などの実験
・ 生態学、心理学の研究
・ 製薬企業の毒性試験、薬効薬理試験、薬物動態試験
薬物動態試験は最長2年、毒性試験では数週間の単回投与から1年ほどの長期投与試験
過去数年間、基本輸入されたサルに展示用はなく、全て実験用です。
最低30日間の係留検査が必要なので、日本に入っているのは、統計の数字が出ている月から最低1ヶ月以上前です。 2021年月別の輸入数です。
1月 ー
2月 1,177
3月 238
4月 240
5月 476
6月 720
7月 258
8月 1,425
9月 258
10月 238
11月 1,069
実験用ニホンザルの国家プロジェクト
動物の調達から繁殖、研究まで、国の予算が使われています。
ナショナルバイオリソース事業に関するQ&Aが公開されています。
2006年度から2020年度まで928頭のサルが実験用に提供されました。2015年6月にはSRV(サルレトロウイルス)感染事故発生のため、一旦提供を凍結したこともありました。
霊長類医科学センター:霊長類医科学研究センターは、カニクイザルを中心に実験用サルの大規模繁殖コロニーを有し、質の高いサルの供給とこれを活用した医科学研究を行っている国内唯一の施設
日本で使われているサルは、カニクイザル、アカゲザル、コモンマーモセット、リスザルなどです。このうちカニクイザル、アカゲザルは輸入もされています。
輸入している数と国内での販売や繁殖数を合計すると年間1万頭のサルが実験用に繁殖・販売・実験利用目的で、飼養されています。
2014年、新しいサル実験用新感染症実験施設完成
現在は霊長類医科学研究センターは、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所の中にあります。
元々、国立予防衛生研究所(現:国立感染症研究所)のワクチン国家検定用サルの繁殖施設として1978年に設立された霊長類医科学センターは、2005年に、(独)医薬基盤研究所に改組されました。
2014年、このセンターに世界最大規模の新感染症実験施設がにでき、320頭のサルを扱える実験施設としてスタート。 霊長類医科学センター全体での飼育頭数は1500頭程度。
2015年の医薬基盤研究所の中長期目標の一つに、霊長類に係る研究および創薬等支援があり、高品質の医科学研究用霊長類の繁殖・育成、品質管理を行うとともに、サルを供給することにより医科学研究を支援すること、またヒト疾患モデルおよび感染症モデルの開発を目指すことがあげられています。
サルの輸入あれこれ
・マカカ族のサル(カニクイザル、アカゲザルなど)は2005年特定外来生物に指定され、環境省許可申請、届出なども必要。
・2004年~2005年の数字では、サルの95%はカニクイザル、残りはアカゲザル。ベトナム、フィリピン、インドネシアからカニクイザルを、中国からカニクイザルとアカゲザル。
・2009年までは半数以上を中国から輸入、2010年以降、中国から輸入は減り続け、3分の1以下になり、代わりにカンボジアからの輸入が急増。
・2016年サイテス(ワシントン条約)事務局はラオスからのカニクイザルの輸入を中止するよう通知を出しました。2016年3月15日より中止されています。
日本では現在ラオスからはほとんど輸入がないため、あまりこの影響はありません
・2005年の時点で国内にコモンマーモセットのブリーダーが3社。
実験用等で生産している施設として、京大霊長類研究所、霊長類医科学研究センター、岡崎国立協働研究機構動物実験センター、滋賀医大動物生物科学研究センターなど。
2022年5月、農水省の統計2020年度版が出ました。実験用に2020年に輸入されたイヌとサルの数を記載しました。
実験用イヌとサルの輸入数、輸出数 (2017-2020)
輸入 2020年の実験用犬、猫、サルなど
新型コロナウイルス感染症の世界的流行により、運搬手段である航空機の減便・停止などにより一部の動物の輸出入に大きく影響がでました。
うさぎ(愛玩用以外=実験用など)の輸入がゼロなどもその影響と考えられます。
表はクリックで拡大します。
輸出
農水省の資料によると、2020年に入り、実験用うさぎの輸出が増えているそうです。コロナウイルス感染症の影響と考えられます。
表はクリックで拡大します。
実験用動物販売数 (2016,2019)
参考:販売数は使用数ではありません。
ALIVE 日本における実験動物の販売数/使用数
ALIVE他参考資料 動物実験の目的と実験動物の使用数を公表
イタリア動物実験施設グリーンヒルの実験動物用の檻すべてがついに空になりました 2012/9/20
イタリアでは、動物実験用ビーグル犬繁殖施設の動物虐待に国民から抗議と怒りの声が押し寄せ、実験施設は閉鎖になりました。
さらに、警察が施設を視察、動物虐待で繁殖施設の3名が動物虐待の罪に問われ、また施設からは2500匹の犬たちが救出されました。
続きはブログでご確認ください。
アメリカ農務省 新日本科学のアメリカ法人を処分へ
2016年11月4日 米農務省は、実験動物のサルを適切に扱わず死なせたなどとして、医薬品開発用の実験などを手がける「新日本科学(SNBL)」の米国法人に対し、動物福祉法違反の疑いで罰金などの処分を科す行政審理手続きに入ったことを明らかにしました。続きはブログでご確認ください。
イスラエル環境省が 実験用猿ブリーダー メイザーファームの猿の輸出入を今後禁止する最終決定を下す。
イスラエルの環境省は、2013年1月6日 動物実験用サルのブリーダーのメイザーファームについて、猿の取り扱いを行なうことを禁止する最終決定を下しました。
メイザーファームは1990年代に設立され、22年間実験用猿の供給を世界中の会社に行ってきた会社です。
ユナイテッド・エアライン 実験用猿の輸送中止を発表!
ユナイテッド・エアライン(UA)は実験用猿の輸送を禁止することを発表しました。
今後、実験用猿の輸送の予約、輸送を行わないそうです。
有名人の言葉
マハトマ・ガンジー
宗教は人間が医学の名のもとに、動物実験をし、動物を殺していることを容認していない、生体解剖は、今日、人間が神と神の造られた美しい生き物たちに対して犯している罪の中でも、最も罪深いものであり、自分たちの生きる代償に、他の有情の生き物たちを苦しめるくらいなら、われわれは自分の生命を断念すべきである。
国の大きさ、道徳的発展は、その国における動物の扱い方でわかる。
レオナルド・ダ・ヴィンチ
動物を殺すことが人間を殺すことと同じように犯罪とみなされる日がいずれ来るだろう。
研究者の方
海外:動物実験に反対する医師の団体PCRM
動物実験に反対する医師の団体の一つにPCRM(責任ある医療を目指す医師の会)があります。動物実験ではなく、現場での訓練やシミュレーターなどの利用の拡大が重要だとしています。
例えば、<生徒は複雑な生態系に接する必要がある>という意見に対しては、下記のように説明しています。
必要な手術を受けている患者に接することにより、複雑な生態系に接することができます。人体の解剖は、犬、豚、他の動物を殺して行うよりも、ずっと多くの薬理・生理反応を学ぶことができます。
コンピューターを使った学習は刺激的な生体システムや生体の多用な刺激に対する反応を学ぶために有用な補助プログラムです。
また検体の利用や、動画<思いやりへの扉>など PCRMの詳細はこちらをご覧ください。
国内1:かつて医学実験に使われたチンパンジーたちのサンクチュアリ:熊本サンクチュアリ
ここではかつて医学実験に使われていたチンパンジーが暮らしています。
1998年の時点で、3つの医学研究施設に、合計136人の医学感染実験チンパンジーがいました。
侵襲実験を停止させようと、研究者等が集まって組織、SAGA(アフリカ・アジアに生きる大型類人猿を支援する集い)を作りました。長年の努力があって、2006年秋に医学感染実験そのものは停止しました。
2007年、熊本県宇土半島にある三和化学研究所・熊本霊長類パークが、京都大学霊長類研究所の協力の元、「チンパンジーサンクチュアリ宇土」という名前で、新しいスタートを切りました。
2011年8月1日に京都大学に移管され、「熊本サンクチュアリ」という名称になりました。
参考リンク:
30年ぶりの空 医学感染実験チンパンジーがゼロになった (京都大学野生動物研究センター) 2012/5/15
2012年5月、30年間ケージの中で、ウイルス感染実験に使われていた最後のチンパンジー達が熊本サンクチュアリに移動され、国内に136人いた医学感染実験チンパンジーがゼロになったのです。
NPO法人サンクチュアリプロジェクトHP http://chimp-sanctuary.org/csu.htm 。
京都大学野生動物研究センター熊本サンクチュアリ訪問記 (文教科学委員会調査室 栁沼氏)
欧米で霊長類の実験が禁止になったと聞きましたが・・・(NBRP)
しかし、これらの規定は、チンパンジー、ゴリラ、オランウータンなどの類人猿に限定されたことであり、ニホンザルと近縁のマカクザルであるアカゲザル、カニクイザル、さらにヒヒ、リスザル、マーモセットなどのサル類は欧米でも「サルでしかできない研究」に限って現在も用いられています。
アメリカ:チンパンジー利用の実験、全面禁止へ 米国立保健研究所 2015/11/22
ギャラリー:引退した実験用チンパンジーたちの静かな「余生」
米ルイジアナ州にある全米チンパンジーサンクチュアリ、通称「チンプ・ヘイブン」では、引退した実験用のチンパンジーが余生を送っている。
アメリカ合衆国魚類野生生物局のページ 2015/6/12
EU:霊長類の実験使用を原則禁止、欧州議会が可決 (2010/9/9)
チンパンジー等に対する侵襲的実験の禁止およびヒトとのキメラ作成に関する質問主意書 2018/4/10 質問への回答 2018/4/20
国内2:東北大学大学院・医学系研究科附属動物実験施設の技術職員
末田輝子氏 は、東北大学大学院・医学系研究科附属動物実験施設の技術職員の方で、研究者の立場から動物実験体制の問題点などを指摘されています。2012年度 科学技術分野の文部科学大臣 創意工夫功労者賞を受賞されています。
2017年4月に発行された医療ガバナンス学会のメールマガジンの中で指摘されています。
1.実験動物に対する縦割り行政に加え、行政の傘下にない分野での動物実験も多々ある、すなわち行政の網羅性に問題があること
2.「苦痛の軽減」には「獣医学的ケア」が欠かせず、専門性を持つ獣医師や飼育技術者の配置が必須である。しかし、そのことが我が国のルールのどこにも書かれていないこと
上記の問題の解決に向けて、意見を届けていきましょう。
また、末田さんをモデルにし書かれたノンフィクション<ありがとう実験動物たち>では、末田さんが実験動物に対し誠実に接している様子が書かれていますので、ぜひ読んでみてください。
国内3:北里大学獣医学部
2018年、北里大学獣医学部は生体を使った外科実習は廃止しました。
2021年7月22日 劇場公開された映画『犬部!』は、北里大学獣医学部で一切の動物実験を拒否し、獣医師になられた太田快作さんをモデルにしています。
映画の最後で、<映画に登場する生体を使った「外科実習」は、モデルとなった大学では2018年に廃止されました。>と紹介されています。
他の大学獣医学部での動物実験については、下記記事をご覧ください。
2020/3/12 「明日殺されるのに…」獣医大の驚くべき実態、学生たちの苦悩
他の医学部薬学部など他、の動物実験は今も存在します。
国内4:京大教授
関西医大、骨髄損傷の最先端再生治療について、サルの動物実験を行わずに患者に直接試して進める。「医療でサルなどの動物実験を行わないのは世界的標準になりつつある」京大教授のコメントです。 - 2005/3/16朝日新聞オピニオン
国による代替法研究や助成
国による代替法研究や事業、助成については、<日本における代替法事業や国内外の動物実験ルール>をご覧ください。
企業、研究者の方々による脱・動物実験への挑戦については、<企業、研究者の方々による脱・動物実験への挑戦>をご覧ください。
一人ひとりができること
一人ひとり誰もができるアクション、企業や行政に意見を届けること、こちらに意見送り先などまとめていますので、ぜひご覧ください。
研究者による不正
文部科学省
文部科学省の予算の配分又は措置により行われる研究活動において不正行為が認定された事案(一覧)
世界をリードする代替法研究機関
CAAT: Johns Hopkins University Center for Alternatives to Animal Testing
1981年に設立されたジョンズ・ホプキンス動物実験代替法センター(CAAT)は、ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生大学院の一部であり、ヨーロッパ支部(CAAT-Europe)はドイツのコスタンツ大学にあります。
研究、製品の安全性テスト、教育において、動物に代わる代替手段の創造、開発、検証、使用を支援することで、人道的な科学を推進しています。CAATは、産官学の科学者と協力して、動物の代わりに動物を使わない方法を見つけたり、必要な動物の数を減らしたり、動物に苦痛やストレスを与えないように方法を改良したりすることで、変化をもたらそうとしています。
ジョンズ・ホプキンス動物実験代替法センター(CAAT)ホームページ: https://publichealth.jhu.edu/
FRAME: Fund for Researching Alternatives to Animal Testing
1969年ロンドンで設立された機関で、あらゆる種類の医学的・科学的処置における実験動物の代替を促進することを目的としており、ビジョンは、動物を使わない方法が科学的なベストプラクティスとして受け入れられる世界を実現することです。
50年以上にわたり、動物実験に代わる方法を積極的に支援し、推進してきました。FRAMEは、企業や個人からの寄付や遺贈によって運営されている独立した慈善団体です。
FRAMEホームページ: https://frame.org.uk/
ONTOXプロジェクト
ONTOXコンソーシアムのビジョンは、21世紀の毒性試験と次世代のリスク評価の原則に沿って、動物を使用せずに化学物質のヒトでのリスク評価を進めるための、機能的で持続可能なソリューションを提供することです。
ONTOXホームページ: https://ontox-project.eu/
代替試験法協力国際会議 (ICATM: International. Cooperation on Alternative Test Methods)
国際的な動物実験代替法開発の取組 ICATM: JaCVAM (日本代替法検証センター)も連携しています。
ICATM関連情報 (JaCVAMのページへ)
世界、日本における代替法の歴史
世界、日本における代替法の歴史について詳しくはこちらをご覧ください。
Youtube:犬の頭部を切断し、別の犬につける実験の映像(2頭の犬)の映像もあります。これは書籍「現代の蛮行」に写真が掲載されています。 犬の映像は4:13頃です。
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